──今日はわたくしがすべてを捨てる日。
仮面をつけて参加する仮面舞踏会は、身元や顔を隠して参加できる秘密の社交場。
その招待状を握りしめて、シルヴィーは暗闇の中で怪しく光っている建物を見上げながらゴクリと唾を飲み込んだ。
仮面をつけていなければ、今にも倒れてしまいそうなほどに緊張している。
先ほどからシルヴィーの隣を楽しげに会話しながら通り過ぎていく男女は余裕があるように見えた。
(覚悟を決めましょう……わたしは明日から貴族ではなくなるのだから)
シルヴィーは震える足を前に出して歩き出した。
*誤字報告、内容が噛み合っていない部分等、大量にありますのでお時間ある方は教えてくださると嬉しいです。
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