王太子セルヴェールの婚約者だった伯爵令嬢リュシアは、
「王太子妃としての資質に欠ける」という一方的な判断によって婚約を解消される。
理由はただ一つ、剣と魔法を磨き続ける彼女が、
“守られる象徴”として都合が悪かったからだった。
新たに選ばれた令嬢は、
殿下の隣に立つ資格を得たと信じて疑わなかったが、
夜会の席で行われた演武により、
リュシアの実力と価値は公の場で示されることになる。
評価は覆り、
「不要」と切り捨てたはずの存在が、
王宮と王国にとって惜しい力だったことが明らかになる中、
王太子と新婚約者は、自分たちの選択の重さに直面する。
だが、リュシアはその価値を王宮に戻さない。
必要とされなかった場所に留まる理由はないと告げ、
彼女は剣と魔法を携え、冒険者として王都を後にする。
女はつらいよ、始まる。