北九州の工場に勤める、ただの一人の男。神代ユウイチ。
特別な才能もなく、ただアニメやゲームが好きなだけの、どこにでもいる会社員。
一方には、声優としての才能を持ちながら、六年間芽が出ないまま埋もれていく女性。中村アズサ。
住む世界も、歩む道も違う二人。
本来なら、決して交わることはなかったはずだった。
けれどある日、ユウイチの人生を一枚の宝くじが変える。
莫大な金は、彼に何もかもを可能にする力を与えた。
そして彼は、軽い道楽のつもりで、ある計画を思いつく。
それが、アズサの人生にまで届くことになるとは知らずに。
ユウイチの計画と、アズサの葛藤。
それぞれの場所で重ねた選択が、やがて二人を引き寄せていく。
その出会いが、二人の人生をどこへ導くのか。
差し出された優しさは、時に断る余地を残さない。
守られることは、時に縛られることと紙一重になる。
ユウイチはアズサを救うのか、壊すのか。