赤いマントに、赤い襟巻き、腰には赤い石晶剣を携えた男が1人。
男は不死身、その身は裂かれようと、骨を砕かれようと、飛散する血肉はたちまち元に戻り、身体を何度でも作り直す。
だが、胸に生の証である心臓は無く、代用品が埋め込まれているだけで、幾度も死の淵から蘇ろうと心臓は戻らなかった。
代わりに男を動かし、生命満たしているものは<竜核>と呼ばれる魔力の塊。
とある女豪商で錬金術師がこの<竜核>と、干乾びた亡骸を巡り合せたのが男にとって新たな世界の産声となった。
そして、男は自身と他者の死を重ね、自分は生きているのかそれとも死んでいるのかアテの無い探求を始める。
ま、それはそれとして、腹が減った、こんな身体でも空腹にはなるのだ、先見えぬ明日よりも今日の飯を考えよう。
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