「石ころ」と蔑まれ勘当された令嬢には、宝石の真贋と記憶を視る王国唯一の眼があった——気づいたのは、彼女を捨てた家ではなく、冷徹と噂の宵闇公爵。
婚約破棄と勘当を言い渡された夜会で、ノエリアは泣きも縋りもせず、一言だけ残して去った。
「本日の目玉の宝石、本物は左から三番目ですわ」
誰も信じなかったその言葉を、雨夜の馬車の中で答え合わせした男がいた。大陸最大の宝飾商会を率いる公爵ルキウス。「お前の眼を買おう。誰にもお前を石ころとは呼ばせない」
形見の指輪の真実、競売場の合成石、妹の"光る鑑定"のからくり——彼女が本物を視抜くたび、偽物で栄えた者たちの嘘が剥がれていく。やがてその眼は、亡き母が遺した王国最大の秘密にたどり着く。
これは、値札のつかない価値を視る令嬢が、自分の居場所と最愛を手に入れるまでの物語。
石は、嘘をつきませんの。