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取得日時> 2024-05-19 00:10:09
ダリアに悲劇は似合わない
ダリアは悲劇の中にあった。
結婚があと三ヶ月と迫ったとき、婚約破棄を言い渡される。婚約者が浮気をし、その浮気相手に子供ができたというのだ。
ただでさえダリアは、五歳の時に母を愛人に殺され、十三の時に後妻と折り合いが悪く家を出て他国に渡り、中医学という医術を身につけるものの家の都合で帰国。故郷の国では異国の医学など、と低く見られておりダリアは医師として認められず、その道は絶たれた。
失意の中で、出会いがあり、やっと幸せな結婚ができると思った矢先の出来事だった。
失意のダリアは宮廷医の元へ嫁ぐことになるが、バロウ家を取り仕切る大姑はダリアに冷たくまるで嫁扱いはされない。夫であるリュシアンは仕事に追われているのかなかなか姿を現さず、いざ会えばダリアを罵るような発言をする始末であった。
しかし、ダリアは負けない。
悲劇など吹き飛ばすように生きてきて、これからもそうするつもりなのだ。
黒いドレスを身に纏い、黒く長い髪をたなびかせるようにしてツンと澄まして歩き、その鋭い眼光と人を見通す鋭い眼差しで、数々の悲劇と闘っていく。
そう、ダリアには悲劇など似合わない。
ある日、ダリアが怪我人を助けたことでリュシアンに見込まれてしまい、王宮に来て自分の助手をするように言われる。
その中で、出産後の長患いでほぼ寝たきりになっているコリンヌ王妃に会う。病気はもう治っている、どうすることもできないと言うリュシアンに、ダリアは「まだ手はあるわ」とコリンヌの治療を始める。
西洋医学×中医学
ダリアは病気を治療するだけでなく、人を治療すること、を掲げて治療に励み、王宮内のいざこざに巻き込まれていくことになるが……。
※この作品では差別的な言動、シーンがありますが、フィクションであり、舞台となっている国とその年代の社会背景によるものです。

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