聖女に選ばれた妹の「代償」として、忘れられる呪いを押し付けられた伯爵令嬢エステル。名前から先に忘れられていき、母にすら他人の顔をされ、北の辺境「星灰の塔」へ捨てられた。だが塔の扉を開けた番人は、彼女のフルネームを呼んで言った。「私は、忘れない。三百年、ただの一度も」。彼は三百年、忘れられた娘たちをたった一人で看取り続けた男。記憶と記録を武器に、忘れられる娘が、世界で一番覚えていてもらえる人になる物語。捨てた家族が、二度と忘れられなくなる物語。
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