自称超能力者に出会ってしまった。
僕のダンゴムシみたいな人生に立ちふさがったケッタイな美人と、悪運的な出会いを果たしてしまった。
曰く、自称氷の女王。
曰く、自称クイーン・オブ・アイスマン。
曰く、自称恋を知らぬ乙女。
その名も、巡凪先輩。
肩書の多さだけは一人前な彼女には、ずっと前から想いを寄せている世界の救世主様がいるらしい。
なんでも他に女がいるとかで、半ば諦めていたのだがーー。
「あなたにお願いしたいのよ、恋愛相談を!!」
いったい僕は前世で何をしたというのか。
女子供に拷問でもしたのだろうか。
頭がアレな電波な先輩の恋愛相談をすることになり、さらには恋敵である自称神の娘まで僕に絡んでくる始末。
だが彼女たちの自称が、ただの自称ではないと知ったとき、僕の世界が一変……するわけないだろ。
異能バトルなんて物騒なものは他所でやってくれ。僕みたいなモブ野郎には、恋愛相談ぐらいしかできないのだから。
あーもー、僕はかわゆくないんですから、からかわないでくださいよ、先輩。
20年前のライトノベルみたいな世界観に僕を巻き込まないでください。