「お前は呪われている」
婚約破棄、家族からの追放、侍女の裏切り――すべてを失った令嬢リディア。
王都を追われ、雪の降る山道をひとり歩く彼女の前に現れたのは、かつて契約を交わした魔獣・ヴァルグだった。
人語を話す魔獣と再会したリディアは、彼と共に旅を始める。
目的は、自分の力の真実を知ること。
だがその旅路で明かされるのは、世界の均衡を保つ“契約者”という運命――そして、彼女自身が「世界の鍵」であるという事実だった。
「私はもう誰も信じない。でも、あなたは別よ」
孤独な令嬢と魔獣の絆が、やがて世界を変えていく。