人間が異種族に虐げられている異世界ヒノモト。
亜人傭兵組織『カゲツ傭兵団』の支配の手が薄い東ヒノモト地方は、7つの転生者傭兵団が支配する野蛮の地とされていた。
キタノ傭兵団
サエグサ傭兵団
ヤマモト傭兵団
イタミ傭兵団
オオニタ傭兵団
サカガミ傭兵団
イシハラ傭兵団
彼等は7つの人種でそれぞれ擬家族として集まり、現地の人間を亜人達から保護しながら細々と暮らしていた。
七傭兵団のうちの一つ、弱小傭兵団キタノの新入り転生者であるキタノトキヤは西にある亜人に支配された人間の都『京安(けいあん)』の大番役から帰ってきた団長トキタロウが何か怪しげな様子である事に気付く。『アニキがまた余計な事をしている』と軽い気持ちで悪友であるサエグサ傭兵団のジョンヒと探りを入れていたところ、屋敷の中に桃色の髪の少女を匿っている事を突き止める。
少女の名前は光旭(ひかるあさひ)。200年前に京安を支配していたがカゲツ傭兵団の前に敗死した大臣に仕えていた武士の一門、光家の末裔だった。
挙兵を企てている逆賊の娘を匿っている事がバレればカゲツ傭兵団に何をされるか分からない、そう判断したトキヤは一帯で最も力を持つイタミ傭兵団の団長イタミタンジンに事情を話しに行くが、タンジンは既にトキヤよりも事情を詳しく知っていた。旭の挙兵を止める為の人質にされそうになるトキヤだったが、そんな彼をサエグサ傭兵団が強行突破で奪還し、追われる身となった彼等は否応なく旭の挙兵に巻き込まれてゆく。
かくして、カゲツ傭兵団と戦うべく東ヒノモトに人間の国家を打ち建てんとする、転生者達と一人の少女が織り成す激闘の物語は幕を開ける。