「剣も魔法も要らない。俺たちは、“火”で世界を越えていく」
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元料理人の男と、かつて火を奪っていた少女。
世界の果てを目指すふたりが引くのは、たった一台の手押し屋台。
異世界を旅しながら、人々の心に火を灯す──これは、料理と出会いの物語。
地球によく似た世界を背景に、
ふたりは“グリル・ノマド号”と名付けた屋台を押し、世界各地の都市や市場、村、戦地を巡る。
焼けたパン生地の香ばしさ、スパイスの火花、そして交わされるささやかな言葉。
食を通して、分断された土地に一瞬の温もりを届けていく。
元・地球の料理人「カッツ」は、現実世界で実際に旅と屋台営業を経験してきた人物。
その実体験をもとに描かれるこの物語は、リアルとファンタジーが交差する“食を通した異世界紀行”。
武器ではなく想いで人を救う、そんな優しさとしぶとさを持った旅路。
争いの種が絶えないこの世界で、ふたりが運ぶのは“火”──それは、命を焼くものではなく、心を温める火だった。
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▶︎こんな読者におすすめ
・『狼と香辛料』『異世界食堂』などが好きな人
・ゆっくりした異世界旅や、人情ドラマが好きな人
・料理が好き、あるいは屋台とか文化にワクワクする人
・“戦わない異世界もの”を探している人
・地に足のついた世界観と、成長するふたりの関係に惹かれる人
本作は、現実でも実際に*屋台で生活する料理人(=筆者)*が、バックパッカー経験や本場の味をもとに描く“異世界の文化と人情”の物語です。
※物語の進行上現実にある地域をモデルにした、または連想させる文化や地理等ございますが、実名は控え、あくまでモチーフに留めております。