現代地球。残業帰りに足元を何かが通った……そこまでしか記憶がない青年が目を覚ますと、そこは出入り口の全くない、半径3メートルの半円型の洞窟だった。
なぜか自分の「名前」にだけモザイクがかかったように思い出せない青年。そんな彼に、部屋の中央に鎮座する水晶(ダンジョンコア)が申し訳なさそうに話しかけてくる。
『ごめんなさい、ダンジョンの育て方がわからなくて……親和性の高いあなたを喚び出しちゃいました』
コアの話によると、ここは地球の数十倍の大きさを誇る巨大惑星。そしてこの場所は、外に出るだけで徒歩1ヶ月はかかるという「広大な迷いの森」のど真ん中らしい。森の周囲には20カ国以上が存在し、いつかは人間や他のマスターとの接触もあるというが……それ以前に大問題があった。
青年を召喚するために全力を使い果たしたコアの残高(ダンジョンポイント=DP)は、まさかの「ゼロ」。
1日に自然回復するポイントは、たったの数DP。これではモンスターを喚び出すことも、立派な迷宮を作ることもできない。
「なら、まずは壁に小さな穴を開けよう。そこから最弱のスライムや角うさぎを誘き寄せて、罠にかけるんだ」
ファンタジー小説好きの知識と、現代の社畜根性をフル活用!
記憶喪失の青年とポンコツな水晶コアが、極小サイズの洞窟から地道に罠を張り、モンスターをテイムし、いずれ世界を揺るがす大迷宮へと育て上げていく、ゼロから始まる異世界ダンジョン経営ファンタジー!