長い修行を終えて、念願のフグの調理師免許を取得したおっさん。
しかし、帰り道に自転車で転んで頭を打ち、気を失ってしまう。
次に目を覚ました場所は、見知らぬ世界だった。
武器も魔法もなく、頼りになるのは「魚を捌く技術」だけ。
たどり着いた村を困らせていたのは丸く膨らむ毒魚。
毒を持つ魚を見分け、食べられる部位を活かすその腕前は、飢えに苦しむ漁村の人々を救う
やがて「毒魚食堂」として評判を呼び、村は活気を取り戻していくが――
その力は、毒魚にとどまらない可能性を秘めていた。
これは、毒魚を愛し、包丁一本で異世界を渡り歩くおっさんの物語。