【人類よ、私を利用しろ。絶望の未来は、この魔王がすべて書き換える。】
魔界を統べる王、マクマリスは死んだ。
勇者に倒されたのではない。宇宙から飛来した正体不明の侵略者――「機械生命体」の大群から、魔界、そして宿敵である人類を守るために戦い、散ったのだ。
圧倒的な科学力と物量を持つ侵略者の前に、エスペル島は燃え、大陸の覇王も、伝説の勇者の末裔も、そして魔王軍さえも為す術なく蹂躙され、世界は滅びた……はずだった。
「……戻った、か」
目覚めると、そこはアレフ王国。マクマリスは、自身の死をトリガーに発動する禁断の秘術「時間逆行」により、記憶と能力を保持したまま過去へと帰還していたのだ!
手の中にあるのは、未来で記録した敵の弱点データと、絶望的な敗北の記憶。
「今度は死なせはせん。……あのような無益な消耗戦ではな」
二度目の人生、マクマリスは手段を選ばない。
プライド? そんなものは前世に置いてきた。
世界を救うためなら、手段は選ばん。
未来の技術を先取りし、昨日の敵とも手を組んでやる。
前世では、三百年前に我々を撃ち破った勇者たちの末裔を抹殺する……のではなく、逆に仲間に引き入れた。
大陸を二分して争う「覇王アンドレア」と「冷徹な女議長ディネルース」。
本来なら殺し合うはずの二大勢力だが、今度は未来の情報を餌に強制的に休戦させ、史上最強の同盟を結ばせてやる!
「魔王が人間ごときに頭を下げるだと?」
笑いたければ笑え。私が見ているのは、その先にある「完全なる勝利」だけだ。
かつて世界を滅ぼした脅威が訪れるその日、人類は知ることになる。
自分たちを支配し、守り抜く、真の「王」の姿を。
これは、孤独な魔王が未来の知識と最強の力で運命をねじ伏せ、世界を「影」から絶対守護する、二度目の英雄譚。