霞ヶ浦大学史学科二年、葵。一年間の吾妻鏡講読がやっと終わって、図書館に石田三成の新刊を探しに行ったところで大地震。咄嗟に頭をかばった本は、なぜか戦国コーナーに置いてあった『中世法制史料集』と『中世武家不動産訴訟法の研究
新版』。
目を覚ますと、そこは永仁元年(1293年)、地震直後の常陸国。
落ちぶれかけた中規模御家人の後家に拾われた葵は、頭の上に降ってきた二冊の鈍器と教科書を少し超える程度の日本史知識を武器に、御家人の所領を守ることに。
「永仁の徳政令、もうすぐ来ますよ」
借上との交渉、寺院との訴訟、そして来たるべき幕府滅亡──戦国オタクの女子大生が、中世武士に訴訟戦術を授ける、なんちゃって法制史小説。
元ネタは某法制史大家の研究室エピソードです。