交通事故で命を落とした青年、**霧島零司(きりしま
れいじ)**は、剣と魔法の異世界へ転生した。
授かった固有スキルはただ一つ。
《デスビーム》
指先から放たれる光線は、あらゆる防御や魔法を無視し、触れたものを一瞬で消滅させる。
剣術は使えない。
魔法も使えない。
回復も補助もできない。
体力も並。
それでも――デスビームだけで全て解決してしまう。
ゴブリン退治のつもりがダンジョンボスを消し飛ばし、盗賊討伐のつもりが砦ごと吹き飛ばし、やがて古竜や魔王さえ一撃で葬っていく零司。
しかし本人はいたって温厚。
礼儀正しく、争いを好まない普通の冒険者のつもりだった。
少々、怒ると妙に丁寧な口調になり、たまに「殺しますよ?」などと物騒な発言をしてしまうだけで。
世界最強の力を持ちながら、自分が周囲からどう見られているのか全く理解していない零司。
一方で人々は畏怖する。
王国は英雄として迎えようとし、強者たちは挑戦を挑み、魔王軍すら彼を警戒し始める。
そしていつしか彼には、ある異名が与えられた。
――《終焉の指》
これは、デスビーム一本で世界最強になった男と、そんな彼を勝手に恐れていく世界の物語。
「安心してください。私はただの冒険者ですよ」
そう微笑みながら指先を向ける男が、この世界で最も恐れられる存在になるまでの冒険譚である。