竜と王子さまがむすばれるメルヘンチックな世界で
ほんのりとダークな風味が見え隠れ
ひみつの過去をかかえた小鬼と魔女が育んだ
ピュアなマッチョが大暴れ
愛と絶望と筋肉の物語
***
オモテとウラに分かたれた世界。
オモテには人間と「呼ばれる」者が、ウラには魔物と「呼ばれる」者が住まう。
ウラの小鬼のもとに一つの巨大な卵が託される。
殻をぶち破って爆誕したのは筋骨隆々のパワフル巨漢。
オモテの王子とウラの白竜の間に産まれたそのマッチョは、魔女に「マカディオス」と名づけられた。
思慮と愛情で育まれたマカディオスは優しく強くキュートに成長していった。友だちもいる。
とても幸せに暮らしていたが、小さく温かな家から広大で冷淡な世界へと出ていく日が訪れる。
息苦しくて人間性がすり減るような、そんな世界の中でもマカディオスは優しく強くキュートなマッチョであらんとした。
王子と竜、自分の出生。
魔女と小鬼、育ての親たち。
正答の教導者と無貌の作家、病んだ人の世。
それらの試練に、マカディオスは愛と筋肉で向き合う。