俺のファーストハーフ(人生の前半戦)は終了した。
涼宮
透は、サッカーの才能をすべて置いて、埼玉の高校へと進学した。過去の栄光にも、未来の夢にも、もう興味はない。ただ平穏に、冷めた日常が過ぎ去るのを待つだけ。
しかし、砂埃の舞う体育のグラウンドで放った、たった一つのプレーが、彼を再び眩しい光の中へと引っ張り出すことになる。
「お前、さっきのプレー凄いな!」
目の前に現れたのは、サッカーへの純粋な熱を瞳に宿した同級生、蓮見
翔。彼の強引な誘いによって、透の中に眠っていた「サッカーへの飢餓感」が静かに揺り起こされていく。
ブランクという名の重い鎖を、持ち前の緻密な自己分析と戦術眼でハッキングし、もう一度ピッチへと這い上がる透。
夢を諦めた少年が、一人の友人との出会いによって、再びボールを蹴り出す。止まっていた時計が、二度目のキックオフを告げる。