コンビニバイトで生計を立てていた若者、岩倉
望(いわくら
のぞむ)はいつものように夜道を歩いて自宅アパートに帰ってきた。
部屋は六畳のワンルーム。布団は出しっ放しで隅の方ではちらほらと埃が丸まっている。その薄汚れた穴蔵で一人暮らしをしていた。
その日の晩、急な尿意で目が覚めた。薄暗い中、トイレに向かう途中で落ちていた雑誌を踏み付けて滑り、後頭部を強打。帰らぬ人となった。
最初の死で『無限転生』のスキルを引き当てた。その都度、得られるスキルをストックして転生を繰り返す。
笑いと悲しみ、ちょっぴり感動(?)が無秩序に押し寄せる、そのような物語がひっそりと始まる。