私が統治するローゼンハイム王国は一夜にして滅びた。
国王に反旗を翻した貴族連合軍によって王都は掌握され、民衆は革命を叫んで王城を取り囲む。各地で民衆が蜂起し、王国を実質的に支配していた上級貴族達は、民衆によって次々に処刑されていった。
「どうして、こんなことに……」
私も例外ではなく、貴族連合に逮捕されてから約一週間後、民衆の前で斬首刑となった。そして、その躯(むくろ)は一切を残すことなく、灰になるまで焼かれた……。
◇ ◇ ◇
「シルヴィア・ローゼンハイム。汝は王国にその生涯を捧げ、鎮守の神々に忠誠を誓うか?」
私が目を開くと、斬首刑になる六年前の国王の戴冠式に時間が戻っていた。理由は不明だが、何かの力が、私にやり直しの機会を与えてくれたようだ。
「今度こそ、国を傾かせることなく、王国を平和に統治してみせる!」
こうして、シルヴィア・ローゼンハイムの国家再建ストーリーが始まった──。
※当初はハイファンタジーで登録していましたが、魔法が出てこない物語であるため、序盤の話に合わせて、異世界恋愛に変更しました。