上司のパワハラ、先輩と同僚の虐めが重なり、笹野新名は精神的にかなり疲れていた。その事を相談すれば良いのだが、誰にも相談できる人がいなかった。家族も身体が弱い妹にかかりきりで新名に関心がなかった上に仕送りもお願いされていたため、仕事を辞めるという選択もできずにいた。そんな時だった。残業をした帰り道の事、疲れた私は独り言を呟いた。
「…………何も考えずに暮らしたい」
そんな小さな呟きはすぐに空気として消えると思っていたのだが、返事が返って来たのだ。
「本当に? じゃあ……この世界じゃないところでもいいの?」
鈴を転がしたような可愛らしい声が耳に心地よく通ってきた。信じられない事だが、その日……私は可愛らしい小さな妖精と出会った。そして、その小さな妖精によって私は異世界へと誘われた。
異世界で最初に出会ったのは綺麗なエルフだった。そして、彼女とスローライフが始まった。