2000年の元日の朝、ロスコスモス長官セルゲイ・ヴォルコフの端末に届いたのは、60年後の異星文明による侵攻を告げる不可解なメールだった。
添付されていたのは、未発表の天文データ、未来の災害予測、そして理論を逸脱した推進装置の設計図。さらに――まだ生まれてもいない孫の名と階級。
もし本物なら、人類の未来を変える情報。
もし偽物なら、彼の人生は終わる。
国家機関の信頼を賭け、密かに始まる検証作業。
宇宙開発、国際政治、そして迫り来る未知の脅威。
ヴォルコフは、自らも知らぬうちに、60年先の戦いの最前線に立たされていた――。