女遊びが好きな第一皇子ルシウスと、恋愛に興味のない伯爵令嬢イネス。
二人の結婚は、愛ではなく利害の一致から始まった。
「どちらかが本気で好きになったら、この結婚は終わりにしよう」
皇帝の病により早急に妻を迎える必要があったルシウスは、自分に恋をしない女としてイネスを選ぶ。
一方イネスもまた、財政難の実家と弟を守るため、王家との結婚を受け入れた。
人前では完璧な夫婦。
けれど、その内側にあるのは冷静な契約だけ。
そう思っていたはずなのに、夜ごと触れる距離が、少しずつ二人の境界を曖昧にしていく。
好きになったら終わり。
だからこそ、惹かれてはいけない。