親友の夢を支える魔導具。
雪国の暮らしを変える装置。
冒険者の思い出に届く、温かな一杯。
少女セレナが作るのは、ただ便利なだけの道具ではない。
大切な人たちの願いに、自分の想いを重ねた魔導具だった。
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五歳の誕生日。
セレナは、異世界から来た少女、澪と出会う。
澪はセレナに知識を託し、「また会おう」と告げて眠りについた。
その知識をきっかけに、セレナは魔導具師を目指すようになる。
だが、正しい魔導回路を見抜く力はあっても、幼い体はまだそれを再現できない。魔導回路を自由に描けるようになるため、セレナは母の工房で失敗を重ね、少しずつ腕を磨いていく。
やがて彼女は知る。
魔導具は、大切な人たちの願いを形にしてこそ、ただの道具ではなくなるのだと。
親友の夢を後押しする、魔導具のコックコート。
雪に苦しむ友の故郷を救う、融雪の魔導具。
母との思い出の味を、旅先でも味わえる水筒。
セレナは人の声に耳を傾け、仲間と支え合いながら、その願いに自分の想いを重ね、誰かの日常を少し変える魔導具を生み出していく。
だが、想いを形にするために生まれた新しい技術は、多くの問題も連れてきた。
貴族たちの思惑。
広がっていく責任。
仲間とのすれ違い。
けれどセレナは立ち止まらない。
大切な人たちの願いに応えるために。
自分の手で、誰かの笑顔を創るために。
そして、その歩みの中で、心に芽生えた淡い想い。
その気持ちに戸惑いながらも、セレナは一人の少女として少しずつ花開いていく。
これは、一人の少女が魔導具を通じて仲間と出会い、居場所を得て、大切な人たちの笑顔を創っていく成長譚。
※本作は「カクヨム」様にも掲載しております。