2050年、日本。
自動運転EVが主要交通機関となる中で、旧式ガソリン車を駆る“最後の走り屋”として名を馳せた男――瀬名航一郎。
人口減少とインフラ崩壊の果てに日本は超AI「アマテラス」に統治され、地方の多くは自然保護区として放棄された。
そんな放棄エリアの廃道の一つ、ワダツミ峠で「ワダツミ峠最速」と呼ばれていた瀬名は、事故をきっかけに命を落とし、気づけば異世界へ転生していた。
異世界で彼が得た役割は、敗退した勇者パーティを手段を問わずに生還させる“運び屋”。
誰一人として死なせない……そんな信念に基づいた彼の走りは、勇者たちの命を救い、時にはたった一人で追手相手に奮闘し「知られざる本物の勇者」とすら呼ばれていた。
だがその功績は表に出ず、些細な誤解と政治的思惑、何よりも勇者本人との反目の末、瀬名はあっさりと追放されてしまう。
静かなスローライフを望み、辺境で運び屋として暮らしていた瀬名。
しかし、かつての仲間である聖女アステリアとの再会が、再び彼を“走り”の世界へ引き戻す。
彼女を巡る陰謀、聖堂教会の横暴、そして刻一刻と迫る罪無き人々の命の危機。
タイムリミットはあまりに短かかった。
「……時には、法だのルールなんぞブッちぎってでも為すべき事ってのはあるんだよ!」
かつて峠で命を懸けた男は、異世界でも変わらない。
吹雪の峠、視界ゼロの夜道。
国家権力級の聖騎士団を相手に、輸送用エアライドでフルスロットルの逃走劇。
“ワダツミ峠最速”の走り屋は、異世界でもすべてをブッちぎる。
追放されたおっさん運び屋、再び走り出す。
これは、闘争から逃走するための闘争――
そして、異世界最速の称号を手にする男の物語である。
※コンセプトは、異世界頭文字D!(笑)
のつもりが、異世界運び屋みたいになりましたが。
ありそうで無かった作品なので、書いてる方は楽しいです!