祖母が遺したのは、ホテルと莫大な遺産、そして――孤独だった。
ホテルで働くセリアは、祖母を不慮の事故で亡くし、天涯孤独の身となる。
遺産を相続し喪に服すセリアに、恋人ウィリアムは突然、求婚をしてくる。
「家族を亡くしたら、結婚して支え合う。――よくある話だろう?」と、言いながら、彼女の仕事と自由を奪う結婚を迫る。
セリアは価値観の違いからウィリアムに別れを切り出すが、関係はこじれいく。
そんなセリアの前に現れたのは、祖母を恩人と慕うファミリー弁護士フィン。彼は誠実な態度でセリアを支える。彼がそばにいることで、セリアは見失っていた自分らしさを取り戻し、次第に彼に惹かれていく。
フィンもまた恩義に報いるつもりが、強くあろうとするセリアに惹かれしまい――。
依存か、自立か。
「よくある話」から始まるロマンスファンタジー。
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※短編「よくある話」と言われたけれど の連載版です
(短編とは設定を変えて、恋愛が強くなっています。ご了承くださいませ)
※モデル:19世紀末~20世紀初頭 英国
(史実・文化・風習とは異なる箇所がありますので、異世界としてお楽しみください)