タイムリミットは12月。転生指揮者が命を削り、少女を全国へ連れて行く。
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世界的指揮者・石上陽は、48歳でその生涯を閉じた——はずだった。
目覚めると、彼は小学生の自分に戻っていた。手には、寿命と引き換えに他人の運命を変える『歪波の命書(ゆがみのめいしょ)』を握りしめて。
転生した陽が選んだのは、かつて“彼女”が叶えられなかった夢——
「愛知県立矢作北高校吹奏楽部を、全国大会へ連れていくこと」。
しかし、彼に残された時間は、わずか1年足らず。
12月に訪れる“死の運命”を回避し、奇跡を起こすことはできるのか?