世界的な指揮者・石上陽(いしがみよう)は、48歳で人生の幕を閉じた。
だが──次に目を覚ましたとき、彼は小学生の自分に戻っていた。
手にしていたのは、寿命と引き換えに「他人の人生を変える」本、
『歪波の命書(ゆがみのめいしょ)』。
再び人生を歩む陽が辿り着いたのは、愛知県立矢作北高校吹奏楽部。
全国大会など夢のまた夢の弱小校。
彼の目標は、かつて叶えられなかった“彼女”の夢──
「全国大会に連れていく」こと。
音楽は、技術だけでは届かない。
仲間との絆、過去の傷、そして命の代償。
命を削ってでも守りたい“音”がある。
転生×青春×吹奏楽。
涙と希望が響く、感動のスクール・シンフォニー、開演。
———
この物語は、矢作北がまだ“音を見つける前”の6話から始まります。
フルート奏者・水都の瞳を通して描かれるのは、
一人の転生指揮者と、まだ何者でもない仲間たちの出会い。
第6話で初めて、陽の「本当の目的」が鳴り始めます。
—————————
(旧題:隣の彼は転生指揮者 〜愛知県立矢作北高校吹奏楽部のキセキ〜)