両親を事故で亡くし、妹を連れて逃げていた大学生の高遠奏汰は、どん底のある夜、ドラッグストアで女性の鞄を盗もうとして捕まった。
怖い顔をした被害者の女性、藤村理子は、警察を呼ぶこともなく、熱を出した妹を病院に連れて行き、食事を与え、風呂まで貸してくれる。
そして翌朝、正座させた奏汰に彼女は言い放った。
「衣食住は最低限。私の言うことに従えないならすぐに追い出す。言っとくけど、お嫁さんみたいな役割は一切期待しないで。——それで良ければ、結婚してあげてもいいわ」
妹を守るためだけに籍をいれた紙一枚の重みしかない結婚生活で、奏汰は少しずつ彼女を知っていく。怖くて、不思議な、弱い人間を見捨てられない、不器用な人。
——僕は、この人の隣に立てる大人になりたい。
六つ年上の不器用なお姉さんと同居した、年下男子の一年半。
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約8万字。
ヒューマンドラマ系。イチャラブはありません。
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