冒険者ギルドの受付係ナギ。その正体は、前世の記憶を持つ心理カウンセラー。
剣も魔法も使えない。ステータスは平凡。だが彼には、人の心の傷を見抜き、寄り添う力があった。
ある日、SSランクパーティーのヤンデレなAランク剣士が、ナギに異常な執着を見せて窓口に押しかける。依存。崇拝。歪んだ愛。一人、また一人と、心に傷を抱えた最強の少女たちがナギの元へ集まってくる。
最強の剣士。天才魔法使い。二重人格の盗賊。空っぽの聖女。フリルを愛する男の娘の勇者。
ナギは彼女たちの心と向き合う。だが、カウンセラーには鉄則がある。「踏み込みすぎてはいけない」。前世で境界線を守り、それでも一人の患者を救えなかった男は、この世界で問い続ける。寄り添うことと、操ること。その境界はどこにあるのか。
やがて物語は、ギルドの窓口を飛び出していく。優柔不断な王。千年の孤独を抱えたエルフの女王。心を凍らせた魔王。言葉の通じない獣人。そして——カウンセリングと同じ技術で人を支配する、聖光教団の枢機卿。
「扉を開けるのは、いつだって本人だ」
胃薬を握りしめた受付係が、剣でも魔法でもなく、対話だけで世界を変えていく。
これは、誰かの隣に立ち続けた男が、最後に自分の扉を開けるまでの物語。
※全122話・完結保証。ヤンデレ群像劇から始まり、心理カウンセリング、種族間外交、そして感動の大団円へ。