罪を背負って生まれた少女は故郷を追われ、その先で彼女は命を拾われた。優しい人間に囲まれて変わり映えしない毎日、当たり前の日常、それが彼女にとって全てだ……それだけで、満足だった。
しかし、それも長くは続かない。──当然のことだろう。
かつて大罪を犯した者がそれを忘れ、のうのうと生きている。どうして赦されると思うのだろうか。
今日、腐った世界は彼女の思い描いていた未来を嘲笑い、蹂躙する。理不尽と不条理を目の当たりに、激情と狂気が腹の中で塒を巻く。
間もなく訪れるのは滅びの前触れ、三度の回生がその凶兆。
いつかいつの日か、尊大に踏ん反り返った世界に目に物見せる為……
不可能に挑み、当たり前のように敗れる。ただそれだけの物語り……
──故に君よ。何を憂うことがあるだろうか……
※誤差報告いただきありがとうございます。