冷たい世界で一人の少女が望まれぬ子として生を受けた。七つの時、彼女は翼を失い天界を離れる。
それでも下界で優しい人々に拾われて、長く知らなかった愛情とその温もりに触れた。その時彼女は人として生きていけると、この先も幸せに生きていけると……そう思っていた──
今日、腐った世界は彼女の思い描いていた未来を嘲笑い、蹂躙する。その先にある暗い淵を見せられて、ひび割れた心に狂気が澱む。
間もなく訪れるのは滅びの前触れ、三度の回生がその凶兆──
──故に君よ。何を憂うことがあるだろうか……
──ただ、心あるなら祈り給え……
「創まりの世界を喰らいし我らが『神』よ」
脆く憐れな一人の少女が神に至り、そして斃びるまでの物語り──
いつか、いつの日か尊大に踏ん反り返った世界に目に物見せるため……