ルキエラ・イエローゲート――彼女は王位継承順位一位の王女であり、優秀な魔法使い。帝王学をはじめとする数多の学問を修め、さらに美しい容姿まで兼ね備えた完璧な次代の女王である。
しかし、彼女にはひとつだけ不満があった。それは、自分がまともに城の外へ出たことがないということ。国内外の情勢や地理、歴史――すべてを学んで頭に叩き込んではいるが、それはあくまで机上の知識でしかない。
「この国を治めるためには、まず自らの目で国の隅々を知るべきですわ!」
そう決意したルキエラは、自らの身分を隠し、一介の修道女として旅に出る。彼女を支えるのは、信頼できる従者たち――冷静沈着な騎士カクペルと、荒くれ者の傭兵ルスケン。三人は国中を巡り、各地で巻き起こるさまざまな問題に立ち向かう。
「鎮まれ!
この紋章が目に入らぬか!」
勇気と友情とお約束を胸に、いま旅が始まる!