「ジルベール様っ!腰に手を当てて紅茶をグビグビ飲まないっ!ここは軍ではないのですっ!あーっ!手の甲で口元を拭かないでっ!」
「そんなに怒らないでよ…」
「怒りますよ!ジルベール様…旦那様がいらっしゃるとはいえ、ジルベール様が入軍なさった時から、ジルベール様が、ガルシア家をお継ぎになった様なものなのです。………」
代々ガルシア男爵家は、王命により、嫡男を従軍させられていた。嫡男であった兄の死後、王命により軍人となった若きガルシア男爵令嬢ジルベールは、自分と家族を取り巻く不遇な環境を脱するために奔走する。
その最中、ジルベールに、軍人家系として名門のアイゼン家の三男、ノアとの婚約話が持ち上がる。
酒代欲しさに自分の軍服を売り捌く、たくましい貧乏貴族令嬢ジルベールは、王命を撤廃するために、ノアは自分でもよく分かっていない残念な恋心を実らせるために、周囲を巻き込んで行くが───⁈