国境の瓦礫の下で目覚めた私、レティ。
耳元でガンガン響いていたのは、救助の声じゃない。死者たちの『愚痴』と『未練』と『ここだけの秘密(ネタバレ)』だった。
「うるさい!
重要な情報だけ喋って!」
生き残るために死者の声を「実務的」に処理していたら、敵国の若き将軍・レオニスに見つかってしまう。
処刑かと思いきや、彼は私に温かいスープを差し出して言った。
「その耳、使えるな。――俺に雇われないか?」
こうして始まった、戦後管理局での「後始末」業務。
隠し金庫の場所?
死者が暗証番号を叫んでます。
毒物の混入犯?
犯人の自慢話が残響してます。
行方不明者?
本人が「ここにいる」って言ってますけど。
誰もが嫌がる戦後処理も、死者のカンニングペーパーがあれば楽勝の宝探し。
私はただ、温かい寝床とご飯のために働いているだけ。
それなのに、冷徹だと思っていた将軍様は勘違いを深めていく。
「君は僕の光だ。誰にも渡さない」
「いえ、ただの従業員です」
「喉が痛いのか?
最高級の蜂蜜を取り寄せた」
「餌付けがすごい!」
これは、たくましい戦争遺児が、死者の声を武器にホワイトな職場環境を勝ち取り、いつの間にか国の英雄になってしまう、再生と誤解の戦後ロマンス。