三十二歳独身、彼女なし。ついでに友達もなし。
服作りだけを支えに生きてきた服飾デザイナー・田町美佐夫は、ある朝、自分の目を疑った。
鏡に映し出された自分が、見たこともない美少女になっていたからだ。
姪の歌音に見つかって大混乱、あわや通報寸前の修羅場を迎えながらも、美佐夫は得意の服作りで自分が本人であることを証明してみせる。
そして、昨夜の記憶をたどった先、山道の小さな祠で出会ったのは、神を名乗る少女・キツネコ。
彼女は言う。
おぬしを女にしたのはわしじゃ、と。
キツネコは、元の体に戻りたければ三つの試練を乗り越えろと告げてきて――。
中身はおじさん、見た目は美少女。
笑えて、戸惑えて、でも気づけば主人公そのものを好きになってしまう。
これは、田町美佐夫という人間が、思いがけない姿で人生をやり直していく物語。