怪盗は、理由なく盗まない。
ニセモノには、価値がないから。
「さあ、一緒に踊りましょう? 今宵はずっと、街中がダンスホールよ」
王都を騒がす女怪盗を追う騎士団長ラルス・タンザナイトは、
彼女の黒髪に、婚約破棄の末に死んだはずの公爵令嬢の面影を見た。
昼は地味な薬局店員、
夜は宝石を奪う怪盗令嬢。
彼女が欲しいのは、国でも復讐でもない。
ホンモノの輝きを持つ王冠と、自分の隣に相応しい真の王。
「だから――今の王家は、いらないの」
恋は罠。
公爵令嬢の肩書を失った、それが終わりの始まり。
フレイヤと名乗る彼女が一つ毒を注ぎ込む──それだけで、世界は変わっていく。
陰謀という名の迷宮(ラビリンス)。
全てを盗み終えたとき、彼女は真の宝石を手に入れる。
※50話程度で終わるハッピーエンドの予定です。
※カクヨムにも投稿しています。