〈大陸魔導戦記! 変革と軌跡の果てに半人半龍が掴む未来とは!?〉
(第1部)
魔族と人間の間に生まれた半龍人のアルクス・シルト・ルミナス。
彼が5歳のある日、ひょんなことから頭を打って前世の記憶を追体験することとなった。
「師匠、ぼく、前世の記憶があるみたいです」
すぐに異世界からの転生者だとバラしたアルに母と師は大仰天。幼馴染達も不安そう。
なぜなら人格を引き継ぐ転生者にトラブルは付き物。
特に人間から魔族への転生は厄介で知られていたからだ。
しかし―――。
「いろいろ思い出したことはあるけど、ぼくはぼくのまま。アルクス・シルト・ルミナスのままだよ」
アルは前世日本で暮らしていた人格を引き継いでいなかった。
安心した母や師から惜しみない愛情を注がれ、半魔族がゆえの障害も何のその!と、幼馴染の鬼っ娘や耳長娘、人狼の少年らと絆を深めながら真っ直ぐに成長していく。
しかし、彼が12歳の冬。
里でとある事件が起こってしまい、アルと幼馴染達は迷わず渦中に飛び込んでしまう。
それが、彼らの行く末を大きく変える出来事になるとも知らずに……。
(第2部)
紆余曲折あって隠れ里の外へ旅立つことになったアルと幼馴染の3人。
目指すは帝都にあると云うターフェル魔導学院。
大樹海を進む彼らの旅路は順調そのもの……なはずだった。
しかし、運命の歯車はとある人間の少女らとアル達を引き合わせることになる。
「私は共和国の交易都市ヴァリスフォルム――――その藩主ノーマン・シェーンベルグの娘、ラウラ・シェーンベルグと言います。
こちらは従者であり共に育てられたソーニャ・アインホルンです」
アル達とそう変わらない歳で護衛もつけずに馬を操る少女達。
その上、彼女らはなぜか聖国の騎士に追われていた。
成り行きで彼女らと共に行動することになったアル達4人は半魔族1人、魔族3人、人間2人と世にも珍しいパーティを組んで帝都を目指す。
赴いた先は未知の都市、街、村。出会うは多種多様な人々。
時には縁を、時には友誼を、そして時には闘争を。
彼らの運命の糸は急速に絡み合い、帝国ひいては大陸全土へと変革の渦を巻き起こす。
人間でも魔族でもない存在としてアルは何と戦い、どこを目指すのか?
未熟な半端者が成し遂げる、激動の大陸変革物語。