世界にダンジョンとモンスターが現れたことによる、大不況。
そんな不況下でも、俺は契約社員として採用された会社で、なんとか十年以上、真面目に働いて生きてきた。
しかしある日、その会社が突然、倒産してしまう。
さらには、それまでの無理がたたったのか、俺はあらゆるやる気が起きなくなってしまい、失業保険で何とか食いつなぎながらの自宅警備員の日々を送っていた。
そんなとある夕暮れ、俺は自宅の壁にいつの間にか空いていた小さな穴から、光が漏れているのを発見する。
突如沸き上がった好奇心におされて俺が穴を覗きこんだ先。
そこは、ドラゴンがブレスを吐き散らす、ダンジョンの深淵だった。
偶然ダンジョンの深淵を覗き込んだことで、俺は称号とスキルを手にする。
スキルの名は、「覗き魔の眼球」。
その悪意に満ちたスキルの名称とは裏腹に、「覗き魔の眼球」は持つものを深淵の支配者へと至らしめる可能性を秘めた、複数のスキルの効果を内包したユニークスキルだった。
そのスキル「覗き魔の眼球」によって、俺はただダンジョンの深淵を覗いているだけなのに、次々と新たなる能力を身につけ、力ある者たちを眷属として、規格外の存在へと成り上がっていくのだった。
・カクヨムにも掲載