その昔、数々の悪者を退治して困った人々を助ける英雄『名も無き魔女』がいた。
語り継がれる物語の主人公に憧れた一人の少女は、魔女に想いを馳せる。彼女の名前は『アリセレス』。黄金の髪を持ち、美しい容姿を持つその令嬢は、義妹の策略にはまり婚約者を奪われ、いわれのない罪によって断罪されてしまう。
そして、別の場所では、154年の時を経て『生と死の番人』を務めていた名も無き魔女もまた、禁忌である『恋』をして、その生命と魔力を想い人に奪われ、その生涯を閉じる。
出逢うはずのない二人の魂は出会い、魔女はその命をとしてアリセレスの願いをかなえようとするが…。なぜか気が付いた時には、アリセレスの中身は名も無き魔女に変わっていた。
そして、思い出す。アリセレスの願いを。
「婚約者を誑かした義妹に復讐したいと、誑かされた婚約者を一発ぶん殴りたい。そして…名も無き魔女のようになって、かっこよく死にたい」だった―――。
復讐が苦手な魔女が、悪者(悪魔とか亡霊とか)を退治しつつ、独自の方法で代行復讐に臨む!
実は未来にはこの国はもうなくなってるとか、婚約者の王子の顔が自分を殺した犯人とそっくりだとか、まあ、色々と問題は山積みだが…きっと未来はかわる!はず…。
※令嬢の復讐の概念は、通常の復讐と異なります。