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「支樹と距離を置くべきだと思う」
 盗み聞きなどしなければよかった、なんて。
 ダンジョンが世界中に発生してから約二十年。
 日本一とまで評される最強パーティ《海月の宿》。最古参メンバーでありながら、唯一と言っていいほどに実績や知名度が無かった支樹。
 それゆえの、妥当というべき戦力外通告。
 当然のことだろう、と。そう理解した支樹は、その日《海月の宿》から姿を消した。
 そんな支樹が意味もなくダンジョンに潜っていると、誘拐されかけていた危機感の足りないお嬢様、鈴音と遭遇し、助けることに。
「私を、冒険者にしてくれませんか」
 行く宛もなかった支樹は彼女の指導をすることになって――って、なに? いろいろ間違ってる?
「うわあああん! ついに見捨てられたあああ!」
 なぜか《海月の宿》のリーダーである海未の方が号泣していて……?
 勘違いから始まる、ドタバタな日常(?)ここに開幕!