私には、幼馴染が2人いる。その内の1人、女子の幼馴染の小都が「今、好きな人がいる」「幼馴染との恋ってどう思う?」と言い出したので、私は心を躍らせた。そんな聞き方をする時点で、もう1人の幼馴染の孝市が相手に決まっているからだ。
しかし、応援すると言うと、小都は表情を曇らせ、告白するつもりはないと話す。私が思いっきり太鼓判を押すと、「脈がないから」と渋っていた小都は、孝市へ告白することをようやく決めた。
ところが。孝市に私が確認してみると、なんと孝市は小都を恋愛対象として見たことはないと言うではないか。……なんてことだろう。このままでは、私のせいで、小都が見込みのない告白をして、傷ついてしまうことになる。そんなことは断固として防がなければならない……!
そんなある日、私が神社で幼馴染の恋愛の成就を祈っていると、何やら脳内に掲示板のコメントのような言葉が流れ出した。
コメント曰く、私のいる世界は、恋愛趣味レーションゲームの世界であり、幼馴染同士が結ばれる世界はどう頑張ってもないらしいのだ。だがそんなこと、知ったことではない。私は、幼馴染が結ばれる、そんな未来が見たいんだ……!
これは幼馴染同士の恋を成就させるために、脳内に流れるコメントに右往左往しながら、奔走する私の話。