婚約破棄され、断罪された令嬢エレナは――泣かない。
代わりに“契約”を読む。
前世は弁護士。燃え尽きた彼女は、この世界で「契約視」を得た。
契約文、誓約、契印。そこに混じる矛盾と改ざんの痕が、目に見えてしまう。
舞台は大規模な戦争が収束後の、平穏な王国。
不当な婚約破棄の裏には、貴族の利権と、違法な誓約の鎖。
エレナは王国中枢・宰相府の契約監査官として、条文と証拠で“合法的に”叩き返す道を選ぶ。
彼女を拾ったのは、冷徹と噂される宰相アドリアン。
「君を守るには、形式上の婚約が要る」
それは甘い溺愛ではない。手続きと権限で守る、契約だけの防壁ーーのはずだった。
誓約奉公詐欺。搾取貴族。宮廷調達の不良品。
積み上がる“お仕事ざまぁ”の裏で、不可解な噂が広がっていく。
――宰相の愛人。呪術。貴族潰し。
そして、王国には戦いの匂いが漂い始める。
国境危機と軍需を口実に、緊急調達の契約が歪められていく。
利権を守るため、監査官を潰すため。
財務府の重鎮派閥は、噂と手続きでエレナの居場所を削り続ける。
剣も魔法もいらない。武器は条文と論理、そして“公開裁判”の証拠だけ。
毎話スカッと、けれど着実にエレナに近づく陰謀の手。
契約を正せば正すほど、彼女は王国の闇の中心へ近づいていく――。
これは、
ざまぁと溺愛を法律で進める、新感覚
異世界お仕事×恋愛譚。