旧タイトル「出逢いと記憶と封印の鍵
~己を探すは誰がために~」―
月明かりだけが照らす闇夜にその戦いは終幕を迎え、それは人々の希望を一瞬にして葬り去ったかのように見えた。しかし、何もかもをなくし野に打ち捨てられる試練を乗り越えたその者は、ルースと名付けられ温かな人々の仁愛に包まれて育った。そしてルースは図らずも知らずして旅立ち、何かに導かれるように自らを待ち受ける運命の中へと身を投じていく。こうして王国内各地を巡り数多の人々との触れ合いを重ね、そして喪われた記憶と仲間との遭逢を経て、それは新たな年月を重ねた月明かりの下へと巡り巡る。これは記憶を失った少年ルースの、軌跡をたどる物語である。
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盛嵜
柊』※他サイトにも掲載しています。