魔獣がはびこり、人々が魔法と剣でその猛威をしのいでいた世界。
十八歳の少女、エルナ・シャウムヴァインは、とても優れた彩師(さいし)だった。彩師とは、自然にあるものから「魔素」と呼ばれる色を抽出する職人のことである。
エルナは家族から「地下室から出るな」と命じられ、ただひたすら彩師としての仕事に血道を注いでいた。
シャウムヴァイン家のために、彩師として働き続けていたエルナだったが、ある日家族の手によって、雪原に捨てられる。
死を覚悟したエルナは、それでも「世界にあふれる色を見たい」と願い、生き延びようともがく。
そんな彼女を助けたのは、魔獣ハンターであるレオン・スピリタス。
彼は「天使の目」という呪いのような目を持っており、その目を狙う者から逃げるようにして各地を転々としていた。
呪われた目を持つ男と、世界中の色を見たいと熱望する娘の冒険譚。
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