この世界では、人は生まれた時に必ず一つだけスキルを授かる。
冒険者フェンが持つスキル《編集者》は、
他人のステータスを“見ることしかできない”能力だった。
鑑定士の下位互換。
役立たず。
パーティに居場所はなく、
ある戦闘で恐怖から動けなかったことをきっかけに、
仲間を重傷に追い込んでしまう。
その結果、フェンは冒険者パーティを追放された。
だが、フェンには冒険者を辞められない理由があった。
病に伏せる妹の治療費――
危険でも、稼げる道は冒険者しかない。
絶望の中、初めて一人で挑んだ討伐で、
フェンは自分のスキルの“異常性”に気づく。
ステータスは、見るものではなかった。
――触れて、消して、書き換えられる。
無能と蔑まれた《編集者》は、
やがて世界の理そのものを書き換えていく。