どこまでも平凡で善良かつ真面目な少年は、ある日、見知らぬ幼い子どもを庇って、代わりに車に轢かれて死んだ。
実は彼は手違いで死んだのだと女神が謝罪、更には、これまた手違いで破滅フラグだらけの悪役貴族に転生させてしまったことで、女神は御詫びに七つ道具ならぬ七つスキルを少年に与える。
悪役貴族ヴィラゴ・フォン・テンドガリアとして転生した真面目な彼は、「じゃあ、ちゃんと〝悪役貴族〟を演じなきゃ!」と決意。
だが、彼自身も、女神すらも知らなかった――
「ぐへへ。俺様は悪役貴族だ! 覚悟しておけ、奴隷ども。美味い飯を大量に食わせて、胃もたれさせてやるからな!」
――彼が、世界一悪役ムーブが下手であることを。
これは、世界一悪役ムーブが下手な男が悪役貴族に転生した結果、破滅フラグを無自覚に全て圧し折りながら、仲間を増やし、国を救ってしまう物語。