「——僕は、……一体、何のために……生きているんだろう……って……」
その絶望的な問いが、青年の心を蝕んでいた。
希望の見えない超資本主義世界、惑星エリシアに君臨する大国、アメリア連邦国。その軍隊に所属する青年シンは、自身が描く安定した未来、「最良の階段」を昇りゆくはずの未来を信じていた。しかし、キャリア組への試験の失敗が彼をそのレールから容赦なく脱落させ、さらに追い打ちをかけるような不運の連鎖が彼の心を砕き、やがて彼を深い絶望へと突き落とす。
彼は失意の底で、様々な人々と出会いを通して失ったものを少しずつ取り戻していく。その中で、シンは、この歪んだ荒廃した世界で、自身の生きる意味を問い始める。
これは、希望を見失った青年が、世界と自己を見つめ直すビルドゥングスSF。
※タイトルの意味は27話(49万字)で分かります。 ※カクヨミでも投稿しています。 ※現在の倫理観と会わない可能性があります。