高い魔力を持つ孤児の少女・カノンは、貴族レイン・イーサリオンに引き取られる。貴族の養子としての豪遊する未来を期待していたが、待っていたのは使用人としての立場だった。
諦めて向かったイーサリオン公爵家で、事態は一変する。
レインは、カノンの実の父親だったのだ。最強の魔法使いの血を引くイーサリオン公爵家の娘として迎えられたカノンは、「可愛い、可愛い」と過剰なほどに大切にされ、自認“可愛い”のバケモノへと成長していく。
献身的な執事、ツンデレな従兄弟、初恋キラーな王子などなどに囲まれ、穏やかな日々を過ごすカノン。
だが彼女には、誰にも言えない秘密があった――。
達観した少女が、“かわいいままでいること”を選び続けるファンタジー。