「わたしが、君を幸せにする――」
父を殺して故国を敗北へと追い込んだ男に、姫君は不敵な笑みでそう言った。
守護獣を持たない「落ちこぼれ」、父親は反逆者の王弟。周囲から蔑まれる若き公爵ギルベールは、伯父でもある国王から他国の姫との婚姻を命じられる。
相手は、父の反意で起こった戦の敵将であった国王の娘。しかも獣の特徴をもつ獣人。反逆者の父が起こした隣国との戦において、父を討ち、敵将を討ったギルベールには、それを拒む権利はない。
自分が殺した敵将の娘が妻になる。憎悪を覚悟して、あまり関わらずにいたほうがいいだろうと思って、希薄な結婚生活が始まる。
しかしそれから二年後。病により生死を彷徨った妻が――豹変した。
*『カクヨム』でも掲載しています。