僕の名前は吉本奏(よしもと
かなで)。かつては子供将棋の界隈で『神童』呼ばれていた。
しかしそれも過去の話で、今では陰キャぼっちの高校生。色鮮やかな青春ライフとは程遠い学校生活を送りながらも、それでも最近お気に入りのアイドル、佐々木結衣(ささきゆい)から癒しを得ていた。
だがしかし、高校二年の春、佐々木結衣の突然の引退発表。
唯一の癒しを失ったそんな僕の元に転機が訪れる。
なんと、同じクラスにあの佐々木結衣が転校生としてやって来たのである!
しかも僕の隣りの席で、さらに追い打ちをかけるが如く住む家も隣り。
だが、幾ら物理的距離が近くなろうとも元国民的アイドルである彼女と僕とでは住む世界が違い過ぎる。
きっと関わり合いはほとんど無いだろう、と僕は思っていた。
しかし、以外にも彼女は僕に対して甲斐甲斐しくもフレンドリーに接してくる!?
彼女のような高嶺の花相手に惚れてはいけない。そう思いつつも、その美貌と優しい性格に僕は日毎に恋心を募らせていく。
しかし、僕は気付いていなかった。
実は佐々木結衣と僕の間には意外な繋がりがあった事を⋯⋯。