――舞台は現代から1000年遡る平安時代。
身分制度が厳しい時代背景の中、身分の異なる3人の男女が、幼い頃を共に過ごし、絆を深め惹かれあって行く。
だが、彼等の成長と共に、世間が示す身分の壁が大きく立ちはだかり、幼い頃のように三人が仲良く、共に過ごす未来を夢見続けることが難しくなって行った。
そしてある出来事をきっかけに、いつか再び交わる事を願いながら、各々が生まれながらに定められた道を歩む決意を固める。
一人は貴族の姫として、政(まつりごと)に携わる道を。
一人は生まれ育った故郷、坂東に戻り、一族や故郷の発展、繁栄に尽力する道を。
そして一人は姫の従者として、生涯をかけて彼女に寄り添い、付き従って行く道を、それぞれに選択する。
最初はただ純粋に、守りたいものの為、己が信じ選んだ道を真っ直ぐ進んでいた3人だったが、彼等に定められた運命の糸は複雑に絡み合い、いつしか抗えない歴史の渦へと飲み込まれて行く事に――
これは後に「平将門の乱」と呼ばれる歴史的事件を題材に、その裏に隠された男女3人の恋と友情、そして絆を描く物語。
――人が人を想う時、それは時として時代をも動かす大きな力となる。